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物理1   (その2)

物 理1   (その2)

前回、恐竜たちがあの体で活動できたのは、地球の自転速度が今よりも何倍も速く、重力の影響が少なかったからだというお話をしました(あくまで仮説ですが)。
っというわけで、今回は(その1)で十分に言えなかったことなどを補完して完結編としたいと思います。

さて、地球の回転速度が速かったから彼ら、彼女らが活動できたということは、逆に言うと自転速度が遅くなったら活動できなくなるということになります。今の重力だと、あの骨格から考えられる自身の体重を支えられないという話でしたよね。地球本体で見れば、徐々にではありますが、自転速度は遅くなっています。これは海の水が地球の回転方向と逆方向に力を及ぼしていることによるものです。ただ、それは5万年に1秒ほどのものなので、恐竜たちがその環境の変化に適応するのには十分なほどゆっくりですよね。つまり、何事もなく地球が太陽の周りを平穏に(?)自転しながら公転を続けていれば、その体形は変化したにしても今でも恐竜たちは存在した可能性があるわけです。でも、恐竜って“絶滅”しましたよね。

恐竜が絶滅した原因はもはや定説になっていますが、それは隕石衝突説です。恐竜が絶滅したとされる年代の地層に隕石の痕跡が多く残されていることからこの説があります。隕石が地上まで届くときには、大気圏に突入した後、大気との摩擦熱によって火球になります。こいつが森林などに落下すると大火災が発生します。その火災によって大規模な森林面積が焼失してしまうのはもちろんのこと、さらにその噴煙が大気中に漂い、太陽光が遮られるため、光合成ができなくなって植物が減少します。その結果草食竜の数も減り、最後にそれらを捕食するTレックスなどの肉食竜が死んでいくという理論というか、まあ推論で恐竜は絶滅したということになっているのです。この考えは非常に論理的で納得できるものではあります。しかし、それに加えて、この隕石衝突が地球の自転そのものに影響を与えたというのが、実は(その1)のバーナード・コイ・ストレッチャー説(本当は島田荘司説)の結論だったのです。ここからは、私の想像、もしくは創作も交えての話になりますが聞いてください。

隕石といっても小惑星並みの巨大なものを中心とした大隕石群が地球を襲います。それらは各地で火災を起こし、その中でも一番巨大なものは正面衝突こそ避けられたもののやや斜めに接触して、地球の自転速度を小さくしてしまいます。恐竜たちは火事から逃れようと、火災現場とは反対方向に一斉に移動を始めます。しかし、数時間か遅くとも数日で自転速度がほぼ現在のそれに近いものになったとき、彼らはもう動けなくなってしまいます。宇宙飛行士が宇宙から帰還したとき、両脇を抱えてもらわないと歩けない状況を想像してください。ましてや、あの巨体ですからね。恐竜たちは覆いかぶさるようにしてほぼ同じ場所に集まっていたはずです。それから繰り広げられる様子は、想像するだにおぞましいものだったでしょう。そこにいるものがほとんど動けない状態ではありながら、食う食われるという阿鼻叫喚(あびきょうかん:非常に悲惨でむごたらしい様)の地獄絵図だったと思います。しかし、それもやがては収まりすべてが死に絶えます。そして、6600万年の時を経て幾多の地殻変動を繰り返してきたてきた結果、彼ら彼女らは今話題の化石燃料になったとさ!?

いかがでしたか、この恐竜絶滅のストーリーは?今私は天下の大ウソつきになった気分です。でも、こう考えると、特定の場所に大量の石油が出るということの説明になるとは思うんですけどね。まあこれは、私の想像に過ぎないので話半分に聞いておいてください。それでも、もし楽しんでいただけたのなら幸いです。ではまた来月、ってことにはなりません。


これで終わると、”物理じゃなくて”地学“になってしまうので、最後に(その1)では、赤道上の重力という特殊な場合についての計算式だけしか示せなかったので、ここで一般式を示して物理1を締めたいと思います。
図を参照してください。
物理を受験科目にする諸君にとっては必須の公式といってもいいものです。ぜひマスターしてください。

追伸

地球に自転を変化させるほどの巨大隕石が衝突したという確証はありませんが、傍証はあるのです。それは金星の存在です。太陽系の惑星は、太陽も含めてみな自転していますが、回転方向は太陽に倣って西から東、天の北極から見て反時計回りに回っています。ところが、金星は回転方向が逆なのです。しかも、太陽の周りを1周する間にほぼ1回転しかしません(地球は1周につき約365回転しますよね)。つまり、ほとんど回っていない状態なのです。ほかの惑星たちが元気に(?)同方向に回っていることを考えると、金星の状態は異常です。この状況を説明するための唯一の結論は、やはりある時期に外部から大きな力を受けたということにならないでしょうか?

*実は天王星も逆回転しているのですが、あまりに遠方なので、除外して考えました。

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